わたしは、多少の人見知りはあるものの、何事もなんとかなるだろうのスタンスで図太く生きてきました。厳しい部活動や職場でも、行きたくないなと思ったり泣いたりすることはあっても、病院に行ったことはなかったのです。だから、メンタルクリニックは縁遠い存在でした。今日は、わたしが初めて精神科に行った日の話をしようと思います。
人生初のメンタルクリニック
統合失調症を発症した日、わたしは自分が病気だとは気が付きませんでした。周りが変わってしまったと思ったのです。そこで夫を頼りました。こわい、助けて、無理なら義姉に伝えて、と連絡したのです。このとき、自分でなんとかしようとしなかったのは正解でした。看護師をしていた義姉は、スムーズに病院を見つけて予約してくれました。そして、連れて行ってもらったメンタルクリニック。
そこには、順番が来ないと怒る人がいて、この人はわたしを監視しに来ているんだと不安になりました。待合室でも怯えていましたが、精神科の先生と個室で会うと不思議と安心しました。
先生に会うと安心して涙
新幹線で娘がいて守らないといけないのに、みんながこっちを監視していて恐かった、と泣きながら話しました。先生は、『それは恐かったねえ、よくがんばって帰ってきたね』と言ってくれました。
『薬を飲めば、不安な気持ちはなくなるから』というようなことを言われて、薬を飲むことになりました。先生は、わたしの支離滅裂な話も全部『うんうん』と聞いてくれたけれど、病名などは特に言われませんでした。
なぜか冷静に心理テストを受ける私
話しの途中で、心理テストを出されました。しばらく経ってから同じテストをして、違いを調べるようなものだったと思います。私はどこか冷静に心理テストの内容を聞きました。そして、こう答えたら、心が乱れてると思われるだろうな、と思いつつテストを受けました。
先生は、『あれ、元気そうだな』というような感想を述べていました。今思うと、なんだか笑ってしまいます。
もう元気だけど、いつまで薬飲むの?
言いつけを守り、数か月も欠かさず薬を飲むと、自分では以前のような生活ができるようになったと思います。病院に行くと、『元気になったね!』と言われました。「いつまで薬飲むんですか?もう大丈夫そうです!」と言ってみました。
『これは、血圧の薬とかと同じなんだよ。いつやめるとかじゃなくて、生きていくために続けるものなんだよ』と言われました。私は、ぼんやり二人目のこどもも欲しいなと考えていたので、服薬を辞めたかったのですが、またあのときのような思いをするのは嫌だったので、今も薬を続けて飲んでいます。
個人的には服薬を辞めても大丈夫じゃないかなと思うこともありますが、『続けて飲んでくださいね』と言われているので、守っています。以前、婦人科の先生に『薬の効果はやめたときにわかりますからね』って言われたのも、心に留めている言葉です。
今は生活の一部
今は薬をもらうために行っているので、『元気そうだね、薬出しとくね』と言われて一瞬で終わるメンタルクリニックですが、毎月欠かさず通院しています。
そこには、いつも大勢の人が来ていて、この人も何かを抱えているんだなと勝手に親近感を感じています。メンタルクリニックは、今では生活の一部です。わたしを恐怖の日々から、救い出してくれた場所です。自分を大切に、無理せず病院を頼るのも大切な選択だと思います。
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